🎄良かったモノ・コト 2024

1969年製で55歳のフィルムカメラ。
買ったのは2023年暮れのこと。細々とフィルムで10年以上撮り続けてきたKLASSE Sだったけど、ファインダー内の表示欠けなどが出てきて結局は電子機器だなぁと思い始めていた。「いっそのこと機械式のM型ライカに乗り換えたほうが長く使えそう。」とライカユーザーの同僚に口を滑らせてしまったら、数日後には「程度が良いM2とM4が売っている。」と連絡があり、使い勝手な良さそうなM4のほうを選択して立て替えてもらった。
レンズはSummarit F2.5シリーズの35mmと50mmを使っている。現代的な写りだけど、地味で安くて小さくてお気に入り。
使っていない機材も整理できて憧れのM型ライカも手に入れ、身も心もスッキリ。

デカくて重いデジタルカメラ。
前述の同僚から、特別価格になった中古のSL2-Sが売っているとの情報が。確かに唸るほど安く、下取りの計算をするとポイントを含めてほぼタダ(そんなわけない)だったため、つい飛び込んでしまった。
愛社精神?として1年ほどfp Lを使っていたが、カメラが小さすぎてそれに見合う軽いレンズを求め続けた1年だったな、とSL2-Sを使って思った。カメラだけで900g以上あるのだけど、不思議と持ったときに手に吸い付くような感覚があり数値よりはるかに軽く感じる。
あと、今まで使ってきたデジタルカメラと比較して、撮って出しのJPEGの色味がずば抜けて良いです。カラーもモノクロも。まぁこのあたりは完全に好みの問題ですが。
すっかりライカおじさんになってしまった2024年。

東京在住の、とある平山さんのお話。
インターネットに色々な考察が書かれているけど、自分が感じたことはただ一つ。“他人と比較することなく身の丈に合ったささやかな贅沢さえあれば、それだけで人生は十分豊かなのでは?”ということ。それが平山で言うと古本屋で買う小説であったり、フィルムカメラで撮る写真であったり、銭湯の一番風呂であったり。彼なりの贅沢なことのルーティーンで日々が構成されている。
というか、そもそも日本の一般庶民って昔はそういう感じじゃなかったっけ?真面目で質素倹約、的な。いつからか日本人の“買い物”に対する執着は異常になってしまったように思う。「貧乏な国になった」とか割と簡単に言うくせに。ドイツ人もそういう気質だと聞いたことがあるが、どうなのでしょう。ヴィム・ヴェンダースが映画にしたということは何か通ずるものがあるのかもしれないな。

真夏に見た大林さんの個展とその時に購入した写真集。
あの日見た大きくプリントされた写真の感覚と、彼が亡くなった後に写真集を見返したときの感覚は全く違うものだ。自然の迫力や悍ましさ、美しさや優しさ。それを受け止めようとしたのか心の拠り所にしようとしたのかは分からないが、見ているとその中に吸い込まれても良いとも思えるような感覚がある。
「あえて地味な装丁にしたので、本棚の片隅にでもひっそり置いておいてほしい。」と言っていた。黒に近いグレーの表紙の中に、黄色い花が手向けられているようだ。“そして、今日も生きている。”という最後の言葉が胸に刺さって抜けない。
個展でも流れていた、西山勲さんが撮影に同行した動画もすごく良いです。

ファミリーマートが展開するコンビニエンスウェアから新たに出た、ジョガーパンツとスウェットトレーナーがとても気に入り。まさに普段着、ほぼ毎日着ている。靴下まで愛用。そして夏はショートパンツとアウターTシャツを着用。
このコンビニエンスウェアが誕生してからというもの、UNIQLOとか無印良品にまったく目もくれなくなった。こうやってお気に入りのブランドができて買い物するときの選択を狭めてくれると、調べたり試したりする労力やコストが減り非常に助かる。
ただ、さすがに文房具までは手を出していないです。

無限にありすぎるヘアワックス問題を、無印良品が一気に解決してくれた。ワックスってサンプルとか無いし、一回選択をミスると使い終わるまで地獄。ぽいっと捨てれるような値段じゃなかったりするし。化粧品も同じ感覚なんだろうな。
そもそもこれ、いつから発売されていたのだろう。地味すぎてまったく気付かなかった。これまた同じく無印良品のヘアセラムと1:1くらいの割合で混ぜて使用すると、香りもケンカせず程よいウェット感とまとまり感が生まれ良いのです。

晩酌なんてせずこの歳まで生きてきたのだけど、おいしい焼酎に出会いそれから毎日軽く薄く1~2杯飲んでいる。芋焼酎の“だいやめ”と、麦焼酎の“CHILL GREEN”、どちらも鹿児島の濵田酒造さん。だいやめはライチのような香り、でも後味はしっかり芋。CHILL GREENは炭酸で割るとラムネのような焼酎。どちらも香り豊かでとても飲みやすいです。

乗っていた格安自転車が盛大にパンクしてしまい、修理するにはそれなりの費用がかかるというので、思い切って自転車を新調した。シングルスピードといってギアがないシンプルな自転車。たまたま見つけたブランドの自転車だったけど、ラインラップを総入れ替えするらしく在庫品をとても安く買えた。
漕ぎ出しの時のペダルのアソビが少なく、これまでに味わったことのない感覚だった。もうすっかり慣れてしまったけど。あと、自転車自体もとっても軽い。

おにぎり事業用に購入。
車内はめちゃくちゃ広いけど、その分ボディがめちゃくちゃ薄い。一寸先は外って感じ。(一寸は3.03cm) 視線が高く窓も広い。ボンネットも短いから運転しやすいと思いきや、普段は普通車を使っている身からするとパワー不足だし、タイヤの小ささと重心の高さからすごくフラフラする。でも内装は装飾ゼロの無機質でとても良い。ラジオしか付けなかったし、とてもシンプルな移動手段として気に入っている。
関係ないけど、前述の『PERFECT DAYS』の平山の車もハイゼットカーゴだった。

最後に音楽。
今年の後半は、どこからともなくおすすめから流れてきた彼の音楽に釘付けだった。正直何者なのかよく分かっていない。Instagramのプロフィールには“Lawyer and indie musician (弁護士とインディーミュージシャン)”と記載されている。そしてすごい勢いで新曲を出してくる。曲調に嫌味がなく懐かしいポップミュージックって感じで、疲れることがなくずっと聴いていられる。
あと、阿部芙蓉美『Super Legend』、柴田聡子『My Favorite Things』、田中ヤコブ『ただようだけ(Side A)』『ただようだけ(Side B)』もたくさん聴きました。
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